理工系の学生にとって、講義で学んだ理論を実験・実習で確認することは、科学的な見方・考え方を養う上でとても重要な作業となります。また様々な分野の実験に取り組むことにより、多角的な見方や総合的な問題解決能力が培われ、延いては自ら問いを立てる力の礎となると考えられます。慶應理工の技術職員は教育・研究のための実験・実習環境を整備するとともに、学際的な研究をサポートする役割を担っています。
理工学部技術支援課では、科学技術的課題を実践的に解決できる能力を備えた人材の育成に向けて、実験実習教育、設計・製作、観測、分析等の技術支援や実験環境の構築と維持管理、安全教育等を担当しております。
教育・研究活動とともに発生する環境への負荷は、持続的発展可能な循環型社会の形成に向けて可能な限り低減していく必要があります。技術職員は環境保全業務(試薬管理・廃棄物管理・高圧ガス保安管理・安全点検・安全教育等)において、学生・教職員と協働しながらこの問題に取り組んでいます。
理工学部技術支援課の技術職員は
理工学における教育・研究活動を
専門性を持って技術的にサポートしています
理工学部技術支援課の技術職員は、理工学における教育・研究活動を専門性を持って技術的にサポートしています。
慶應義塾の建学の精神の一つに「自我作古」という言葉があります。「我より古(いにしえ)を作(な)す」と訓み、「前人未踏の新しい分野に挑戦して切り拓いていく」という使命感を表した言葉でありますが、この精神をもって科学技術の分野で活躍していくためには「新たな気づき」を持てる能力が必要となってくると考えられます。理工学部技術支援課では、このような気概をもって社会で活躍できる人材の育成のための環境づくりを目標とし、その土台作りを「技術」を通じてサポートしていきたいと考えています。
2023/09/06 発表会第33回技術系職員研修発表会を開催いたしました。
2022/09/02 発表会第32回技術系職員研修発表会を開催いたしました。
2021/10/27 お知らせWEBページのデザイン・内容を一部リニューアルいたしました。
2020/06/01 お知らせ実験教育支援センターの組織名称が技術支援課になりました。
2020/02/28 お知らせWEBページをリニューアルいたしました。
2019/10/23 発表会第31回技術系職員研修発表会を開催いたしました。
2018/10/26 発表会第30回技術系職員研修発表会を開催いたしました。
2017/10/25 発表会第29回技術系職員研修発表会を開催いたしました。
2017/05/15 イベント理工学部研究室の学生向けに機械工作講習会を行いました。
2017/03/08 イベント早稲田大学・関西大学・慶應義塾大学による第5回大学間交流会が行われました。
2017/02/23 研修新任技術職員向けの機械系・基礎技術研修を開催いたしました。
2016/09/30 研修大学間技術職員交流研修会(機械系分野)に参加いたしました。
理工学部技術支援課は、障がいのある人たちが先端科学技術を駆使したアシスト機器を使って、日常生活に必要な動作で競う国際競技大会 - サイバスロン - に参加しています。
特設サイトはこちら理工学部技術支援課は、教育・研究分野ごとに、実験教育・ものづくり担当、日吉基礎教室担当、中央試験所担当、環境保全担当という4つの担当グループで構成され、それぞれの実験・実習室、研究施設、事務室を管理・運営しています。
下図に技術支援課の組織図・担当実験科目を示します(左右にスクロールできます)。
下図に技術支援課の組織図・担当実験科目を示します。
学部3年生の実験、および理工学部全体のものづくり業務を担当しています。
マニュファクチュアリングセンターでは最新の加工設備が導入され、学部レベルの教育研究に活用される施設です。加工実習が先端的な環境のもとで 実施され、学生にものづくりの素晴らしさを教授いたします。3Dカメラで撮影した機械加工の様子を3階の大型スクリーンで観察することができます。また、学部の卒業研究、大学院の修士・博士研究、産業界との共同研究などの支援を行ないます。 先端機械および先端技術を学べる環境を提供し、 "ものづくり"をメインに理工学部をサポートしています。
機械系共通実験室は、機械工学科2年生の創造演習、 3年生機械工学実験、システムデザイン工学科3年生のシステムデザイン工学実験を行う実験室です。1階は材料・機械力学実験室、エンジン実験室、風洞実験室が置かれ、2階は燃焼実験•管内実験•制御実験システムデザイン工学実験ならびにディスカッションが出来る実験室となっています。また、2階の実験室には、機械工学科2年生の創造演習の優秀賞ポスターと作品も展示されています。
3階には大きな部屋が3つ有ります。西側のデザインスタジオは、授業の無い時間には、登録された学生が自分の机として使用することが出来ます。中央のコラボレーティブデザインルームには、大きな机が配置され、授業に応じて棚から平行定規を取り出し使用することができます。この部屋の西側にはプラスチック光ファイバーでコネクトされた100インチの3Dスクリーンが2面設置されています。東側はデジタルデザインルームで、約100台のパソコンによるCAD やプログラミングの授業が行われます。
電気系共通実験室では、電気情報工学科:電気電子工学実験、システムデザイン工学科:SD工学実験/演習、情報工学科:情報工学実験が行われています。また、資格試験免除や研究支援にかかわる機器や設備の運用・管理も行っています。
実験を通して実際の現象を体験することで講義で得る知識の理解を深め、合わせて物理情報工学科の研究分野に関連する実験技術の基本を学ぶことを目的としています。また、様々な物理現象の把握・実験データの処理・表現能力だけでなく、洞察力・思考力・判断力の育成や創造性・独創性の発揚のために、実験を通して多様な事柄を体験します。
実験の基本や計測器の使い方、測定データから物理現象の本質を抽出する方法について学ぶことを目的としています。1年間で11種類の実験を行います。
応用化学科実験室では、応用化学科の3年生のみを対象として「応用化学実験」が行われています。応用化学を学ぶ上で必要不可欠な知識ならびに技術の習得を目指し、Aでは分析化学・物理化学・化学工学の分野を、Bでは有機化学分野、Cでは応用無機化学分野、Dではバイオ・高分子化学分野の実験を行っています。
化学科実験室では、化学科3年生のみを対象として「化学実験」が行われています。化学実験第1では無機分析化学と物理化学の基本的な実験操作、考え方、ならびに専門知識を修得します。また、化学実験第2では前半は有機反応、後半は天然物より抽出した有機化合物を基質として系統的な反応を行うことで、1年次から諸講義で学んだ有機化学の知識を、実験を通じて確認することができます。
生命情報学科実験室では、生命情報学科の学生のみを対象として「生命情報実験」が行われています。従来の生物学科とは異なった視点に立ち、「生き物の実験を行えるだけでなく、計算機を利用するのが苦にならない。」というようなこれからの生命科学をリードする人材を育てていくことを目指し、A、B、C、Dを合わせて20種類の実験テーマが組まれています。
管理工学科実験室では、管理工学科の学部3年生を対象として、実作業を対象とした実験を通して、IEの手法、問題 解決のプロセス、プレゼンテーション技法について学ぶ「インダストリアル・エンジニアリング実験」、および、システム工学、人間工学、及びそれに関係する実験を通じ、数字を得られない世界におけるデータの処理、そしてそこからの論理の展開の仕方を学ぶ「システム・アンド・ヒューマンエンジニアリング実験」を行っています。
自然科学実験は、1年生の必修科目で、物理学実験と化学実験に分かれており、この実験室では物理学実験を行っています。物理学実験では第1日目に全員共通の「基礎知識」と「基礎実験」を行い、それ以後の実験には、力学、電磁気学、光学など5題目のうち決められた題目を履修します。
この実験室では自然科学実験の化学実験を行っています。安全教育・作る実験・性質を調べる実験を通して、化学系の学科に進む学生はもとより、その他の学科を目指す学生にとっても将来役に立つと思われる化学の考え方を学びます。
2年生の理工学基礎実験は、1年生の時のように全員同じテーマについて実験を行うのではなく、各自が所属する専門学科に応じて準備された特色のある実験テーマをセットで履修します。A実験室では、工学系(電気、機械)の実験を行っています。D実験室では秋学期に管理工学系の実験を行っています。
2年生の理工学基礎実験は、1年生の時のように全員同じテーマについて実験を行うのではなく、各自が所属する専門学科に応じて準備された特色のある実験テーマをセットで履修します。この実験室では、物理系のB実験を行っています。
この実験室では、春学期は理工学基礎実験のC実験(化学系)を行います。秋学期には、応用化学科と化学科のみが受講する専門科目である基礎化学実験を行います。基礎化学実験は、化学者と呼ぶに恥ずかしくない本物の化学の基礎知識を身につけてもらうことを前提に実験内容を企画してあります。化学を専攻する大学2年時に是非知ってもらいたい無機化学、有機化学、高分子化学、電気化学、分析化学などの様々な化学分野の基礎知識を実験内容に組み込んであります。
2年生の秋学期に、生命情報学科の学生が受講する専門科目、基礎生命実験を行っています。実験では、「生命情報」を極めるために、物理・情報系、化学系、生物系に分けられたテーマを通じ、従来の枠組みにとらわれることなく分子的な視点に基づいた生命の捉え方、また物理・化学に基礎をおいた生体高分子の考え方、コンピューターを利用した生命機能に関する情報の取り扱いの初歩について学びます。
本施設では、学内の研究者に研究の場を提供するほか、依頼分析などのサービスを提供しています。研究のための特殊設備や大型分析機器を、理工学部として中央試験所が集中管理することで、リソースの効率的な運用を可能にしています。本施設は、様々な研究データを取得できる学内共同利用施設として、理工学部全体の研究の活性化に貢献しています。
本施設では、学内の研究者と企業の技術者が日々互いに研鑽しながら、研究および技術の開発を行っています。最先端の研究には、企業の技術力が欠かせません。またそれらを結びつけるためには国からの支援も非常に大切な要素です。本施設は、産学官が一体となって研究力と技術力を融合し、新たな価値を創出する産学官共同研究拠点として重要な役割を果たしています。
本施設では、実用化が極めて近い製品を実証する設備を整え、企業の方々が安価で利用できる仕組みを提供しています。本施設は、2013年9月に経済産業省先端技術実証・評価設備整備等補助金の採択を受け、産学官連携施設として開所しました。主に製膜技術、表面改質、ナノ加工技術に関する装置を導入しており、学外の方も利用が可能です。新技術の実用化による新たな成長の実現を目的として、多くの地域企業の方々にご利用いただいています。
環境保全センター事務局では、理工学部内の安全講習・安全点検の実施、実験廃液の管理、薬品・高圧ガスの管理(特別管理物質、化学物質のリスクアセスメント)、遺伝子組換え実験・動物実験・生命倫理関係の各種申請の受付など、理工学部内の安全・衛生・環境に関わる業務を取り纏めています。
近年では急速な技術革新が進んでおり、複雑化・細分化・専門化しつつ異分野融合する科学技術のサポートを担っていくには、あらゆる角度からの継続研鑽が必要となってきております。このような状況に対し、慶應理工の技術系職員(技術支援課)では、様々な研修計画を立案・実行し、教育・研究支援へとフィードバックする体制を整えています。
技術職員として必要な基礎技術・基礎知識の習得を目的とする。機械系、電気・電子系、情報・管理系、生命・化学系の各4分野について基礎技術を身につける。
各技術職員が保有する専門技術以外の職務上必要とされる周辺技術・知識の習得を目的とする。機械系、電気・電子系、情報・管理系、生命・化学系の各4分野について幅広い基幹技術を身につける。
技術職員が職務上必要とされる高度な専門技術の習得を目的とする。
学習会、講習会、講演会、見学会、個人研修など。
理工学部技術支援課では、サイエンス、テクノロジーに関わる内容について研修活動を行っております。毎年その活動を報告する発表会を行っております。
理工学部の1・2年生は日吉キャンパス、3・4年生と大学院生は矢上キャンパスで学生生活を送ります。日吉キャンパスは、東急東横線・横浜市営地下鉄グリーンライン日吉駅の目の前に広がる敷地面積10万坪のキャンパスです。一方、矢上キャンパスは、日吉キャンパスから谷一つ隔てた高台にある理工学部独自のキャンパスです。