基礎化学実験

Advanced Chemistry Course for sophomore

 

 化学は積み上げの学問であるとよくいわれる。この意味は、諸君が卒業する頃には

きっと実感が得られることと思う。

 化学の実験は、頭だけで学ぶ化学の知識を経験により本物にしてくれる。たとえば、

地図や写真だけで頭の中に描いた風景は、そこに実際行ってみるとどれだけ違うことか。諸君には、容易に想像できるであろう。実験はこうした本物に出合う機会なのである。

このような経験の積み重ねこそが本物の化学者を育て上げる。

 「基礎化学実験」では、化学者と呼ぶに恥ずかしくない本物の化学の基礎知識を諸君に身につけてもらうことを前提に実験内容を企画してある。もちろん、この実験内容だけ

では十分ではないが、化学を専攻する大学2年時に是非知ってもらいたい無機化学、有機化学、高分子化学、電気化学、分析化学などの様々な化学分野の基礎知識を実験内容に

組み込んである。

 諸君には、このことを念頭に置き、「基礎化学実験」の数々の実験を通して、化学の

知識を自分自身にとって本物になるように取り組んでもらいたい。





kisokagaku_files/kisochem_schedule2018f.pdfkisokagaku_files/kisochem_tantou2016f.pdf

注 意


1.テーマ6と7は2日構成のテーマで、その他は1日で終了するテーマである。

  例えば、6-1はテーマ6の1日目を表す。

2.着席場所は毎回テーマごとにホワイトボードの指示に従う。

3.各テーマとも2人一組で実験を行い、相方が欠席の場合は担当者の指示に従う。

4.実験内容について必ず予習をしてくること。

5.実験に関する基礎事項(実験テキストp.1~5)及び化学実験の基本操作

    (実験テキストp.10~19)をよく読んでおくこと。

6.実験テキスト、実験ノート、グラフ用紙    (正方眼紙)、電卓、白衣、名札を

毎回忘れないこと。名札は春学期の実験で使用したものを持参する。

7.保護メガネは毎回貸し出すので、実験中は必ず着用すること。

8.やむを得ず欠席した場合は、次回の実験までに欠席届を実験準備室に提出すること。

    用紙は準備室にあるので申し出ること。

9.ロッカーの使用方法については掲示に従うこと。

   *なお、9班は1年生(化学実験室)のロッカー(A)を使用する。


※ロッカーに入らない大きな荷物は、実験室内の空いている実験台の上に置く。

  転倒などの事故につながる恐れがあるので、足元には絶対に置かないこと。

   また、貴重品は必ず身につけておくこと。





実験テーマの解説


テーマ1

 過マンガン酸カリウムによる酸化還元滴定

  

酸化剤として過マンガン酸カリウム標準液を用いて、還元物質(過酸化水素水、硫酸鉄水溶液)を滴定し定量する。この実験により酸化還元反応について学ぶ。


テーマ2

 遷移金属錯体の可視スペクトル

  

水溶液中のCr3+イオンの可視領域における吸収スペクトルを測定し、配位子場理論により吸収帯の帰属を行う。d軌道間の電子遷移が遷移金属イオンの多彩な色の原因であることを学ぶ。また、有機色素の可視スペクトルを測定し   金属との発色の違いについて学ぶ。


テーマ3

 電解質溶液の電気伝導率

  

電解質溶液の伝導率を測定し、溶質の無限希釈におけるモル伝導率を求め、

その結果を利用して難溶性塩の溶解度を求める。


テーマ4

 臭化アルキルの生成反応速度 

  

臭化水素とn-ブタノールからn-臭化ブチルが生成する反応を用い、反応速度

定数と活性化エネルギーの求め方について学ぶ。


テーマ5

 ルシフェラーゼとルシフェリンを利用したATP量測定

  

ホタル由来の酵素であるルシフェラーゼを用い、そのATP量を測定することで、基本的な生化学実験操作を学ぶ。また、生物化学分野で比較定量的な実験を行う際に議論する。有意差についても理解を深める。

  

テーマ6

 アズラクトンの合成と同定

  

α-アセトアミノ-p-ニトロ桂皮酸のアズラクトンを合成し有機化合物の合成、

精製の手順を学ぶ。また、得られた化合物と原料の赤外線吸収スペクトル

(IRスペクトル)を測定、比較し、化合物の同定、並びに各吸収帯の帰属を行う。


テーマ7

 ポリマー粒子の作製と粒度分布

  

懸濁重合により、ポリメタクリル酸メチルの粒子を作成し、得られた粒子の

粒子径分布を調べ、その平均方法と平均値について学ぶ。