学生実験と環境保全
より良い教育環境を目指して

現在の担当業務を教えてください

応化・化学・生命・管理担当というグループに所属し、その中でも主に応用化学科の担当として、学部3年生の学生実験(授業)のサポートをしています。メインの業務は学生実験のサポートですが、そのほかにも環境保全センター【※1】の一員として、矢上キャンパス内の実験系廃液の管理や薬品管理(薬品管理用WEBシステムや特別管理物質の作業記録簿の管理等)、化学系の安全講習の対応など、理工学部全体の環境・安全・衛生に関わる業務も担当しています。

【※1】環境保全センター:理工学部・理工学研究科における安全衛生管理および環境保全に関わる活動を統括している組織です。安全講習・安全点検の実施、実験廃液の管理、薬品・高圧ガスの管理、遺伝子組換え実験・動物実験・生命倫理関係の各種申請の受付などを行っています。詳しくは環境保全センターWEBページをご参照ください。

学生実験のサポートとは?

学生実験室の運営に関する業務を行っています。例えば、実験室や実験機器等の維持管理、実験器具や機器、消耗品等の購入・準備・廃棄から不具合対応、試薬の管理や調製、廃液処理、実験用配布資料の準備、学生から提出されるレポ―トの管理、学生の出欠席や名簿の管理、怪我や事故発生時の対応、予算管理、成績管理などです。学生にとってより良い実験・実習環境を作ることが私の仕事となります。

慶應の技術職員になったきっかけは?

卒業後は医療関係の企業に就職し、3年ほどそこで勤めていましたが、今後の自分のキャリアを考えた際に、とても充実していた大学時代を思い出し、学生時代に専攻していた化学に関わる仕事がしたいと思うようになりました。また、もともと教育に関わる仕事についても興味があったので、大学の技術職員を志望しました。私は慶應出身ではないのですが、特に慶應を志望した理由は、日本の大学の中ではトップレベルの研究・教育を行っていて、そういった環境で働いてみたかったからです。最初は有期契約の嘱託職員で採用されたのですが、期間満了時に課内の専任職員に欠員があったため、先輩から専任職員の道を勧められ、試験・面接等に無事合格して、現在に至っています。

安全・安心な実験室
人と人との繋がりの大切さ

技術職員に必要なことは?

技術職員には、学生・教員を総合的にサポートするために、専門性にプラスして幅広い知識が必要であると思っています。専門分野以外を勉強していくことはとても大変なのですが、新しいことを学ぶことは好きですし、大変と同時に楽しい部分でもあります。理工学部技術支援課では研修制度が充実していて、自分の専門性を伸ばすことはもちろん、専門以外の分野でもいろいろと知識を増やすことができます。私も今まで経験したことのなかった機械加工やプログラミングなどの研修に参加しました。また、自ら企画を立てて学習会などを開くこともできます。理工学部技術支援課には、あらゆる分野のスペシャリストが集まっていますので、困ったときでもいろんな人が助けてくれますし、私も助ける側になっていくことが必要であると感じています。

仕事上、特に心がけていることは?

実験中に怪我や事故が起きないよう、安全に関わる部分は細心の注意を払っています。特に化学系の実験では、各種薬品をはじめ、ガラス器具など危険なものがたくさんあります。まずは「安全第一」です。どうすれば怪我や事故がないように実験が行えるかを常に考えるようにしています。その上で、実験・実習が滞りなく行えるよう、実験の準備や実験室の環境整備に努めています。
あとは「フットワークを軽く、常に視野を広く」ということを心がけていますね。技術職員は、教員や学生のサポート役です。教員と学生が授業に集中できるように、何か対応すべきことがあったときには素早く動けるよう、また何か問題があったときには素早く解決できるよう、頭も身体もいつも柔軟でいられるように努めています。

仕事をしていて一番うれしい瞬間は?

学生や教員から感謝の言葉を言われるときや、学生の笑顔をみたときは、とてもうれしいですね!先日も、卒業を迎え無事就職した学生が「学生実験の時はお世話になりました。本当にありがとうございました!」ってわざわざ挨拶に来てくれて、そんなときは技術職員をやっていてよかったなと思います。

学生と教員と共に生きる
頼られる存在としてありたい

現在の仕事の魅力は?

この職場の魅力は、人と人との繋がりによって自分が成長できることです。教員といっしょに協働できることは日々勉強になりますし、学生・教員との距離もとても近く、未来ある学生と関われることはとても刺激的です。頑張っている学生の姿、成長していく姿を間近でみていると、私も頑張ろう!という気持ちになります。学生や教員と一緒に悩み、何がベストかを考えることは、私の人生においてとても貴重な経験だと日々感じています。

今後、どのような技術職員になっていきたいですか?

教員や学生の求めていることを理解し、力になれる職員になりたいです。そのために今後も何事にも事務的にならないように人との繋がりを大切にし、献身的に対応していきたいです。また専門分野以外の知識についても増やして活用していけたら、より力になれることが増えると思っています。そして学生みんなが安全に学生実験でより多くのことを学んでもらえればうれしいです。